あいそむない
物足りない。つまらない。
「そっだけでちゃ、あいそむなないけ?」=「それだけじゃ、物足りなくない?」
あつくりたい・あつくらしい
暑苦しい。
例:「なんちょあつくりたいなりしとんがけ?」=「なんて暑苦しい格好をしているの?」
あったらもん
もったいない。古語の「あたらし(=もったいない)」という形容詞がもとになっている。そこから「あたらもの(可惜物)」という言葉ができ、それに小さいツが入って「あったらもの」になった。
- 「捨てられんな、あったらもん」=「捨ててはいけない、もったいない」。
- 「あったらものを内へ入るやうにしてこそ上手なれ」by「昨日は今日の物語」(作者未詳、1624年ごろ)
うい
つらい、苦しい。語源はフランス語のoui、なわけはない。古語の「憂し」だと思われる。単に「うい」と言うと肉体的な苦しみのことで、精神的な苦しみ(気が重い、憂鬱だ、など)を表す時は「気ぃうい」という。
例:「食べ過ぎて、腹うーなったわ」=「食べ過ぎて、お腹が苦しくなったよ」。県外の人には本当に分からないらしく、例文のようなことを言うと「腹…何だって??」と聞き返される。
うざくらしい
うざったい。うっとうしい。邪魔だ。
うすい
「目ぇうすい」というと、「目が悪い」という意味。目が細いと言う意味ではない。じゃあ「目がいい」は何というのかと言うと、「目ぇ明るい」なのである。なんとも不思議な富山弁ワールド。
うぞい
良くない、汚い、みすぼらしい、しょぼい、貧相だ…などなど、あらゆるマイナス。
えらい
「立派だ」ではなく「大変だ、つらい、しんどい」。力仕事をしている人が「あー、えらいっ!」と言ったとしたらそれは「あー、しんどい!」という意味であって、別に自画自賛しているわけではない。そんな人には是非「えらかったね」と言ってあげよう。
おっとろしい・おっとろしない
恐ろしい。
例:「あれ、おっとろっしゃ」=「ああ、恐ろしいことだ」。
おもしろい
標準語と同じように「こっけいだ、笑える」の意味でも使うが、「奇妙だ、変だ」の意味で使うこともしばしば。後者の場合は非難する気持ちが込められることもある。
例:「そいおもしいかっこして」=「そんな変な格好をして」。
「ろ」が抜けて「おもしい」になることがほとんどで、しまいには「お」もほとんど聞こえず「もしい」くらいに聞こえる。
かたい
賢い、感心だ。
例:「かたい子だね」=「かしこい(感心な)子だね」。
かちゃかちゃ
ぐちゃぐちゃ。めちゃめちゃ。ものすごく散らかっていたり、何かが大破していたりする様子。
かわいらしい
標準語と同じように「愛らしい、可愛い」の意味でも使うが、単に「小さい」ものに対しても使う。
例:「かわいらしいミカンだね」=「小さいミカンだね」。 この場合、別にミカンを可愛いと思っているわけではなく、単に小さいと言っているだけ。
きつい
サイズがきつい、ではなく「力が強い」という意味。重いものを持ち上げたり運んだりすると「きっついねえ」と言われる。
けなるい
うらやましい。「けなるて」=「うらやましくて」、「けなるがる」=「うらやましがる」。
富山弁だとばかり思っていたら、なんと広辞苑に載っていた。形容動詞の「異なり(けなり)」が形容詞化した「けなりい」のリがルに転じたもの。なお、異(け)には「まさっている・特出している」の意味がある。そこから「うらやましい」という意味を持つようになった。
- 「そちは酒蔵を預かつてけなりい事ぢや」by狂言「樋の酒」
- 「芸子に目を使はせ、下なる見物にけなりがらせける」by「世間胸算用」(井原西鶴、1692刊)
- 「あらあらけなりやけなりやな、われにも福をたび給へ」by狂言「連歌毘沙門」
けぶたい
煙い、煙たい。古くは「けぶたし」。 古:「いと苦しき判者にも当たりて侍るかな、いとけぶたしや」by「源氏物語」(紫式部、11世紀)
こわい
若い人は「恐ろしい、怖い」の意味で使うことが多いが、年配の人が「こわい」といったら十中八九「かたい」の意味。漢字を当てると「強い」。古語に「こはし」という形容詞があり、「ごわごわ」はこれに由来している。
こわくさい
こう言われても、あなたが「嫌なにおいを発している」わけでは決してないのでその点では安心を。「生意気だ」の意。
さかしま
さかさま。坂島さんという姓のかたは探せばいらっしゃるかもしれないが、全く無関係である。
じゃまない ナイは否定の意味だから「邪魔ではない」という意味なのかいな?と思ったら大間違いで、その逆の「邪魔だ」という意味である。じゃあ「ない」って付けなくていいのに!と思われるかもしれないが、このナイは性質や状態を表す語に添えて、その意味を強めて形容詞を作るという働きをしている接尾語である。この意味でナイが使われている語に「はしたない」「せわしない」「せつない」などがある。「おっとろしない」のナイも然り(たぶん)。
しょわしない
せわしない。落ち着きがない。面倒だ。 「そいしょわしないこと、せーちゅがけ?」=「そんな面倒なこと、やれって言うの?」
じわい
(食べ物が)かたい。噛み切りにくい。県東部限定のようだ。
ずるくどい
しつこい。県東部の立山町・旧大山町(現在は富山市の一部)では「じるくどい」だというローカルな情報も。
せばい
狭い。「せまい」はもともと「せばい」で、バがマに変わったのは江戸時代以降のこと。
古:「大埼の神の小浜はせばけれども」by「万葉集」(5〜8世紀)
だやい
だるい、疲れた。体の疲れだけでなく、精神的な疲れも含んでいる点で標準語の「だるい」とは異なる。標準語でこれに一番近いのは「かったるい」だろう。
ちみたい
冷たい。「ちめたい」「ちびたい」「ちべたい」「ちぶたい」「つべたい」など、変形バージョンがたくさんあるが意味はすべて同じ。「つ」がなぜ「ち」になるのかなんて気にしているようでは、富山弁をマスターする日は程遠い。
つかえん
大丈夫だ。「差し支えない」から来た言葉だが、県外の人は「使えない」という全く逆の意味にとってしまうらしく、しばしば誤解が生じる。
「このペン、借りてもいい?」「なん、つかえん」「ありがと〜」
「この野菜、食べれるかなあ」「つかえんちゃ」「なら今晩使おう」
「これ、ちょっと表にしといて」「エクセルで?つかえんよ〜」
やっぱり不思議な富山弁ワールド。
つくつく
鋭く尖っている様子。…という以外には説明しようがないのだが、これだけでは「つくつく」を説明しきれている感じがどうしてもしない。「つくつく」は「つくつく」でしかないのであって、「つくつく」を使わない地域の人はつくつくの鉛筆のことを何と呼んでいるのか、気になるところである。
つごうわるい
体調が悪い。「からだ都合悪い」「足都合悪い」「あんた顔色悪いぜ。どっか都合悪いがけ?」…「都合」をそんな意味で使うのは富山の人くらいではなかろうか。と言っても体調がいいときに「都合いい」とは言わず、専ら悪いときにのみ用いる。
てきない
向かうところ、敵なし!…ではなく、「疲れた」「だるい」。同じく富山弁の「だやい」に近い。会社の先輩(40代)が使っていて始めて知った。
とうとしい
貴重だ。少ない。「とうとい」になぜか「し」が入っている。もとは古語の「たふとし(トウトシと読む)」か。
ねぶたい
眠たい、眠い。古くは「ねぶたし」。一説には、ネブタシの語源は「眠り甚し(ネブリイタシ)」だという。
古:「いみじうねぶたしと思ふに」by「枕草子」(清少納言、11世紀)
はがやしい
「歯がゆい」と「くやしい」をくっつけたような言葉。
思い通りにならなくて、きぃ〜っ!という感じ。
はしかい
1.かゆい。
2.頭がいい、頭の回転が速い。何か新しいことを知ったときに「これで一つはしかなったわ」のように言う。「悪賢い」の意味で使うこともある。そのためか、「かたい」と違って必ずしも褒め言葉ではない。
ふるしい
古い。「ふるい」にシが入ったのか、古語の「ふるし」にイがくっついたのか。さてどっちでしょう。
へしない
まどろっこしい。時間がかかる。
まめ
健康だ、元気だ。若い人は言わない。
- 「まめけ?」=「元気?」
- 「おはつ様は親子とも御まめか」by「好色五人女」(井原西鶴、1686年)
めっとくない
みっともない。見た目によくない。人の顔かたちの形容にも用いる。言うまでもなく、面と向かって口にすることはご法度である。
めばやしい
まぶしい。「まばゆい」の親戚か。
やこい
やわらかい。
例:「なんちょやこいうどんけ」=「なんてやわらかいうどんなの」
やわしい
散らかっている、乱雑である。やわしい部屋では何がどこにあるのか探すだけでも一苦労。整理整頓しましょう。
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