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あやまち
怪我。「若いあやまち」などで言う「あやまち」ではない。
あわさい
あいだ・すき間。
あんね
長女。歴史の授業で必ずと言っていいほど紹介される「アンネの日記」のタイトルを見るたび、私は富山弁の「あんね」を思い出して笑いを禁じえない。
あんま
長男。「アンネの日記」のタイトルを見るたびに、「もしこのタイトルが『あんまの日記』だったなら」と思いついて笑わずにはいられない富山出身者は私だけではないはずである。
いしかわのもん
石川県の人。富山県民は石川県を目の敵にしている。越中がむかし加賀藩に子分扱いされていた、というのが理由らしい。高校野球でも、富山県代表校が石川の代表校と当たったりすると富山県民はいつも以上に応援に熱が入る。まるで日韓関係である。
えーさま
絵、図柄、本などの挿絵。なぜ「絵」に「様」を付けるのか全く謎である。
えんころ
犬。言っている本人は「いんころ(=犬ころ)」のつもりなのだと思うが、ほとんど「えんころ」に聞こえる。
富山・新潟などでは「い」と「え」の発音の境目があいまいで、「い」と言っているつもりでも相手には「え」と聞こえているということが時々ある。その逆も然りで、「えんぴつ」が「いんぴつ」になったりする。
また、富山のおばあちゃん方の名前で「マツイ」「ハツイ」「キクイ」など、まるで苗字のようなファーストネームがしばしば見られるが、本当は「マツエ」「ハツエ」「キクエ」なのではないかと言われている。ちなみに私の祖母の名は「シズエ」だが、本当は「シズイ」だということは…ないはずである。
おけそく
仏前に供えるお餅。○回忌などの際にはご近所に配ったりもする。
おっか・おっかちゃん
奥さん。おばさん。
おっじゃ
次男。「おっか」は「いるか?」という意味にも取れ、「おっじゃ」は「いるよ」という意味にも取れるため、「おっかおっか」「おっじゃおっじゃ」という奇妙な会話が富山では成立することになる。
おら
俺、私。いかにも田舎くさい一人称である。若い人は使わないので、そのうち死語と化すのだろうと思うと少々寂しい。 アクセントは「おら」。クレ○ンしんちゃんのように「おら」と言うと全然違った言葉に聞こえる。 富山で「おれおれ詐欺」をやると「おらおら詐欺」?「あ、もしもし、おばあちゃん?おら、おら!」
おわちゃん
次女。私は次女なので、小さいころ近所の人から「酒屋のおわちゃん」と呼ばれていたが、「おわちゃん」が何のことなのか分からなかった覚えがある。
ちなみに、「酒屋」は私の実家が昔酒屋を営んでいたことに由来する屋号。ほかにも近所の家はどれも「壁屋」「だいくさ(=大工さん)」など各々の屋号を持っている。
かみはん
この言い方、私の実家だけなのだろうか…「神様」のことである。絵が「様」でGODが「はん」というのは何かが間違っているような気もするが、神様というより親近感がある。かみはん。
かんに
堪忍。東京弁と一緒じゃん!と思われるかもしれないが、語尾の「ん」をほとんど言わないところに富山弁のオリジナリティを感じていただきたい。
例:「かんにしられ」=「許してね」。
例文では、普通は命令の意味で使われる「しられ」がお願いの意味で使われる点も興味深い。
かんもり
冬瓜(とうがん)のこと。冬瓜の別名「かもうり」が訛ったもの。煮物にして食べると美味しい。
ごとう/ごせい
呉東(ごとう)は富山県東部、呉西(ごせい)は富山県西部のこと。富山県のほぼ中央に呉羽山(くれはやま)なる小高い山があることからこういう言い方をする。
「呉東の人は呉西の人を嫌っている」という説があり、さらには「石川県の人は呉西の人を嫌っている」という説がある。呉西の人はそんなにも嫌われているのだろうか。事実はそうでないと信じたい。
なお、呉東と呉西では文化もいささか異なっており、なんと呉西ではよその家を訪問したとき、出された茶菓子を食べてはいけないらしい。私など呉東の人間からすると呉西はミラクルワールドである。
こんぶじめ・こぶじめ
刺身を昆布でしめた料理。使う刺身はさす(=カジキマグロ)、イカ、白えびなど。昆布の旨味が刺身に移って、なかなか美味。
ちなみに、昆布じめの昆布は食べないのが普通(食べてはいけないというわけではないけど)。
ざいご
(都会に対して)田舎。「在郷」が語源。私は「ごとう」の「ざいご」の人間です。なお、「ざいご」の反対は「まち」(「まち」ではない)。
さす
カジキマグロ。富山県内では「さす」の呼称が一般的で、これがカジキマグロのことだと知らない人も少なくない。刺身はあっさりしておいしい。昆布じめの具としても最もポピュラー。
〜さん
ひと。直前に小さいツが入ることがほとんど。
例:「あのっさん」=「あの人」、「このっさん」=「この人」
「さっき言うとったさんちゃ、どのっさんけ?」「あこの、背の高いっさんやちゃ」=「さっき言ってた人って、どの人?」「あそこの、背の高い人だよ」
じでんしゃ
自転車のこと。東京弁では「て」が濁らないということをたいていの富山県人は知らない。そして東京に出てショックを受ける。
しゃっぽ
帽子のこと。広辞苑にも載っているくらいなので、特に富山弁というわけではないのかもしれない。語源はフランス語のchapeau(シャポー)。ハイカラである。
せんだく
洗濯。なぜか「た」がにごり、「洗濯物」は「せんだくもん」になる。「じでんしゃ」みたいなものである。
ぜん
お金。語源はもちろん「ぜに」。「ぜんやっちゃ」=「お金あげるよ」
〜題目
(歌の)1番、2番、…。この言い方が県内でしか通じないことを知らない富山県民は少なくない。
たか
上。「高いところ」ということなのだろう。長男や長女は「たかの子」と呼ばれるが、とんびの子やカエルの子がほかにいるわけではない。
たちもん
建物。テがチになっているのは「えんころ」の項で説明した、新潟・富山などに多いエとイの混同。アクセントは「た」に置かれるか、またはアクセント無しの平板な発音になる。
たびのひと
県外からやってきた観光客のこと…ではなく、県外からやってきて富山に住みついた人のことを指す。
「住みついていてもなお『旅の人』と呼び続けるなんて、なんてよそ者意識の強い土地なんだ!」と憤慨されるかもしれないが、私は「旅の人」=「わざわざ旅をして富山にやってきた人」と解釈している。つまり、「旅の人」には「遠くからわざわざこんな辺ぴな所によくいらっしゃいましたねぇ」という、いたわりと歓迎の気持ちがこめられているのだ。まあ素敵。
もっとも、この言葉は年配の人限定。若い人では、「旅の人」という言い方を知ってすらないという人も多い。
なお、「たび」のアクセントは「たび」。「たび」と言うのはそれこそ、旅の人である。
だら
愚か者、バカ。アクセントは「だら」。「あんた、だらでないがけ」=「あなた、バカじゃないの?」。けなし言葉ではあるが、状況によっては愛情が込められている。
この言葉は「だらだらしている」「だらしない」に由来している、という説を何かで読んだ気がする。富山では勤勉が美徳とされているので、その反対の「だらしなさ」「怠惰さ」は軽蔑に値するのだそうだ。そこまで考えて「だら」を使う人は今ではいないが。
小さい「お」
なんだそりゃ、と言われそうだが、「を」のことである。他県出身者には全く通じず、「『小さい』って何が小さいの」と批判を浴びる。県外では「くっつきの『お』」「下の『お』」「難しい『お』」などと言うらしく、富山出身者以外で「小さい『お』」と言う人は見当たらない。誰が「小さい『お』」と言い出したのかは定かではないが、ともかく富山の子供たちはひらがなを習うとき「小さい『お』」イコール「を」だと教わるわけで。
つばいそ→はまち→ふくらぎ→ぶり
いわゆる出世魚であるブリの呼び名。ブリの呼び名の変遷は地方によって異なり、東京では「わかし→いなだ→わらさ→ぶり」、大阪では「つばす→はまち→めじろ→ぶり」。富山はどちらかと言うと大阪の呼び名に近いと言える。
フクラギの刺身は脂がのっており、サスとはまた違った美味しさである。ブリはやっぱり照り焼きが美味しい。
てっしゅ
ティッシュペーパーのことではない。年配の人しか言わないが、小皿を意味する。英語の "dish" が語源だと言う人がいるが、本当は「手塩皿(てしおざら)」が語源である。
広辞苑によると手塩皿とは小さく浅い皿のことで、膳部の不浄を払うために盛り塩をしたことからそう呼んだのだそうだ。
でんち
懐中電灯。それって乾電池のことじゃないの?と思われるかもしれないが、乾電池のことは「乾電池」と呼ぶので富山県民にはしっかり区別が付いている。
とっぺ
豆腐。なんだか響きが可愛いので、気に入っている富山弁のひとつである。「とっぺのおつゆ」は、豆腐の入ったお吸い物。
とやま
標準語では高低アクセントが「とやま」だが、富山弁では「とやま」。これをどう発音するかで富山出身か否かが分かってしまうというわけ。
東京から富山に向かうとき、ああ富山に来たなあ、と一番最初に感じるのは、越後湯沢で上越新幹線からほくほく線に乗り換えると、「つぎは〜、とやま〜、とやまです」という富山アクセント丸出しの車内アナウンスを聞いた瞬間である。頼むから標準語アクセントなんかに変えないでほしいと思う。
ながさし
長い間。
「ながさし東京におれど、富山弁ちゃ抜けんもんやちゃ」=「長いこと東京にいるけど、富山弁は抜けないものだよ」
ながさしめ
久しぶり。「ながさしめでおうた」=「久しぶりに会った」。
なんかん
カボチャ。東京に出てきて「カボチャって、なんかんとも言うよね?」と言ったら猛反対された。それを言うなら「なんきん」だろう、というのである。というわけでここで声を大にして言っておくが、カボチャの別名は「なんかん」である。
(後日「広辞苑」にて調べたところによると、カボチャを「なんきん」と呼ぶのは「南京」に由来しており、一方「なんかん」と呼ぶのは「南瓜(なんか)」に由来しているということだ。)
ねね
赤ちゃん、子供。
「ねねみたいことゆうとられんが」=「子供みたいなことを言ってるんじゃない」
はし
「橋」と「箸」のアクセントが、富山弁と標準語では正反対。「はし」は「橋」、「はし」は「箸」。
ひらすま・へらすま
昼寝。
「ちょっこひらすましりゃどうけ?」=「少し昼寝したらどう?」
ふくしんづけ
福神漬け。これは前掲の「じでんしゃ」「せんだく」と違って、東京弁で濁る「し」が濁らない。私はつい最近までこのことを全く知らなかった。
へんま
昼間。若い人は言わないが。
ぼんぼ・ぼっぼ
おんぶ。
「ねねぼんぼしたらいたもんやちゃ」=「赤ちゃんをおぶっていたものだよ」
まっか
真桑瓜(まくわうり)。「まくわ」が訛って「まっか」になった。メロンの親戚で、メロンよりもあっさりしている。夏の味覚。
このコーナーを書いていて思ったんですが、カボチャ(南瓜)にキュウリ(胡瓜)にスイカ(西瓜)にトウガン(冬瓜)と、我々は結構「うり」を食べているんですねえ。
ママさんダンプ
雪かきのための大きなスコップ(のようなもの)。雪国の生活には不可欠の一品。他県にも同じものはあると思うが、何と呼んでいるのだろう?
よさる
夜。古語に「夜さり」という言葉があり、そのリがルに転じたものが残っているらしい。「夜さり」は「夜になるころ・夜」を意味する。
よめはん
奥さん。「あなたの奥さん」は「あんたとこの嫁はん」であり、「あのお宅の奥さん」は「あこなうちの嫁はん」。
「嫁はん」と「おっかちゃん」の間にはっきりと境目があるわけではないが、明らかに(標準語で言う)「おばさん」以上の年齢の女性が「嫁はん」と呼ばれることはないので、大まかに言うなら「嫁はん」=「若奥様」なのだろう。
わやく
わやくちゃ。ぐちゃぐちゃ。まったく整理・収拾がついていない状態。
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